『しっかり聞いてくれよ。いいか』


『何…?』


『俺はもともと、来春までで学校辞める予定だったんだ。スポーツ整体師になりたくて 資格もとれたから。少し時期を早める。誤解するな、お前のせいじゃない。』


『学校…辞めるの?』


『しばらく、先輩がやってる整骨院で働くつもりだ。前から考えてた。』



『コーチ!嫌だあ。辞めないで!』


『ちゃんと聞いてくれ。地区大会終わったら辞める。しばらくは遠くに行くけど…学校辞めたら、幸太って呼んでもらうぞ』



『幸太コーチ!嫌だあ』


しがみついてた泣く私を優しく抱き締めて…


『俺が夢を叶えるのになんで泣くの。それに、俺さ。オヤジと違って卒業まで待てないんだ…無理』


背中を擦る手が優しくて…何度もキスしながら…見つめて。


『あっ。キスしてるっ!』『うそ?』
『あのやろ』


階段の途中からのぞいてる…。


『あ?』
幸太の顔…。真っ赤!