私は逃げるように…学校を飛び出した



門を出ようとしたとき


呼び止められた

幸太コーチだった。


『どうした?もうすぐ授業始まるぞ』


『コ、コーチこそ…何してるの』


必死で涙をこらえた。


『ああ。ちょっと家にもどるんだ。近くなんだ。』


自転車にまたがってる。


『なんか、変だぞ。どうした。教室戻らないと…』


プツリと何かが切れて

大粒の涙がこぼれた。


『どうしよう…』