「あー、もう髪びしょびしょだよ」



学校に着いた私はすぐに保健室に駆け込んでタオルを借りた。



借りたタオルで髪をゴシゴシ拭く。



「でも良かったじゃないの。カッパ着てきて」



そう声を掛けてきたのは、この保健室の先生の池田ゆき先生だ。


たしか、年齢が24歳で独身。

男女関係なく人気があるとか。



私と池ちゃんはみんなより少しだけ仲が良くて、生徒と教師っていうだけの関係じゃない。



私がまだ小学校低学年だった頃、近所のお兄ちゃんと遊ぶのが大好きで、そのお兄ちゃんのお姉さんが今私の目の前にいる池ちゃんだったりするわけで。


もちろん、池ちゃんとも遊んだことあるし、なんか友達みたいな感じ。



池ちゃんは一見、すごく大人っぽく見えるんだけど以外と子供っぽいところもある。

悪戯好きというか、なんというか…。




でも、それもきっと池ちゃんの魅力なんだと思うんだけどね。



「まぁ、そうなんだけどねー」




家を出てきた時には小雨だったのに、学校まで半分ぐらいの距離になって急に大雨になってしまった。



「たしかに、それだけで済んだのは良かったけどさぁ」




一応、フードは被っていたんだけど自転車をこいでいたからすぐに脱げてしまった。


最初は被り直していたんだけど、キリがないから途中で諦めちゃったんだよね。