手で言葉を 〈貴方に伝えたいことがある〉

ドアが開いた。


入ってきたのは萩くんだった。





「おまたせー、長くなって悪かったな。…あ、永島ももう行っていいぞ。お母さんが職員室のドアの所にいるから」





後半の部分は、永島君の方に向き合って言っていた。






…やっぱり、本当に聞こえないんだ。





「あ、はい。…じゃあ、失礼します」




そう言って、自分の荷物を肩にかけてドアの方まで歩いていく。





そのまま行ってしまうのかな、と思ったらドアの所で振り返った。









「じゃあ、月曜日にね。先生と…あと榎本サン」




そう言って彼は印刷室から出て行った。