手で言葉を 〈貴方に伝えたいことがある〉


永島君はそう返事してくれたけど、やっぱり笑顔がなかった。




…それに、さっきから思ってたことなんだけど、私が話す時にやけに口元を見られてる気がする。



気のせいかもしれないけど…。





「あ、そうだ。永島君の前の学校はどんな感じだったの??」



 
あんまり深く考えずに聞いた。


それがいけなかった。



今思えば、永島君は本当は聞いて欲しくなかったのかもしれない。



私の言葉に対して、永島君が黙り込んでしまった。




聞いちゃいけなかったかな。

もしかしたら、言いたくないのかも…。




「…俺さ」




もういいよ、と言おうとした時に永島君が口を開いた。





「前は、特別支援学校に行ってたんだよね」



「……え??」




と、特別支援学校??


何それ…。




「俺さ、実を言うとね…」