手で言葉を 〈貴方に伝えたいことがある〉


「どうしたの?」



永島君が心配そうに聞いてくる。


「あ、ううん。何でもない」



慌てて手を振る。



「…じゃあ、行こっか」




こっちだよ、とさっき行こうとしていた方の廊下を指さす。



当然だけど、私が先に歩き出した。






職員室に着いた。


ドアを開けて中に入る。



「失礼しまーす」



私に続いて永島君も入ってくる。




「…失礼します」




印刷室は職員室に入ってすぐ右側にある。




私はドアノブを回した。


ガチャッと音を立ててドアが開いて、私と永島君はその中に入る。