銀髪の王子と黒髪の王女

なぜなら男性が自分たちの目の前にいるのに、男性は自分たちに全く気がついていないのです。
王子は何故男性に見えていないのか、思い当たることがありました。

先程、魔法使いが唱えていた魔法です。
あれは自分たちの姿を見えなくする魔法だったのだろう、と王子は思いました。
王子は魔法使いの方に眼をやりました。
すると、魔法使いが王子に向かって、また人差し指を立てました。
『黙ったままで動かないでください』
王子と王女はその行動を理解するように、ゆっくりと頷きました。
魔法使いは二人の了承をしたのを見ると、すたすたと歩き出しました。

「随分とみすぼらしい格好をしていますね。北にある国の王子様」
その声に男性は反応して、魔法使いの方を向きました。
王子と呼ばれた男性は、右手にボーガンを持っていました。
魔法使いはそれを見て言いました。
「これはまた物騒な物をお持ちで・・・」
「喧しい!魔法使い、よくも裏切ってくれたな!!」
男性は声を荒げて魔法使いに言いました。
魔法使いは首を傾げました。
「裏切る?何のことですか??私はあなたの依頼をきちんと遂行しましたよ」
「魔法を解くそうじゃないか!これが裏切りと呼ばずなんと呼ぶんだ!!」