「それにしても、矢を射かけてきた奴は一体何者なんだ?ここらには、盗賊とかいないはずだが・・・」
王子はそっと王女の手を離しながら言いました。
王女は胸に両手を当てて、ゆっくりと深呼吸をした。
王子は冷静に相手が何者なのか、考え始めました。
そうしていると、魔法使いが二人に言いました。
「恐らく、北にある国の王子の部下でしょうねー」
「王子の部下!!」
王女は驚きました。
北にある国はここからとても遠いのです。
一日や二日でいけるような所ではありません。
ここから、一ヶ月や二ヶ月くらいかかる場所にあるのです。

「何故そう思う?」
王子は疑問を魔法使いに言いました。
「先程の『金属の矢』。あれで確信しました。あんなのを用意して、王子を狙うなんて彼しかいらっしゃいませんからねー」
王子は魔法使いが言ったことに、納得しました。