青年が慌てて走り、王子を突き飛ばしました。
王子は驚いたまま、尻餅をつきました。
ヒュッと風を切るような音が聞こえた後、王子が立っていた場所に何かが突き刺さっていました。
それが何なのか分かった途端、王女はビックリしました。
それは一本の金属で出来た、とても太い槍のような矢でした。
王女は急に顔を青くしました。
もし、青年が王子を突き飛ばしていなかったら・・・。
今頃王子の胸に、この矢が突き刺さっていたかもしれない。
そう思ったからでした。