「そうですね・・・・・・」
魔法使いは黙ったまま考え込んでしまいました。
王子は息を呑んで、魔法使いを見つめていました。
王女は王子を不安そうに見ていました。
青年と少女は緊張しながら、魔法使いの出方を窺っていました。
ようやく、魔法使いが言葉を口にしました。
「そこにいる王女の心臓をくださいと言ったら、王子、あなたくれますか?」
四人は驚いて固まりました。
少女はこの申し出には、もちろん肯定出来ません。
少女は王女を大切に思っているからです。