森は見た目より広く、右も左も木々ばかりでした。
「なんだか先が見えませんね王子。・・・? あれ? 王子? みんなどこに行っちゃったんですか??」
王女は辺りを見回しました。
けれども、王子と少女と青年の姿が見えません。
どうやら王女一人だけ、はぐれてしまったようです。
そんな王女に近づいてくる人影がありました。
「!・・・王子?」
「おやおや、これは可愛らしいお嬢さんですね〜」
そこには背の高い男の人が立っていました。
いかにも、魔法使いという格好をした短い黒髪の青年でした。