私は言葉を選びながら口を開いた。


でも、なぜ、あなた達は、ここまでして、それを無くしたいの?



沈黙が続き、その言葉に誰も答えようとは、しなかった。


あーあーっと亮の声だけが部屋に響く


そして初めて短い方の髪の女が立ち上がった。



私も捨てられたの。


そう言って私を見る。

保育園の門の前にタオルで巻かれてね。もちろん記憶なんて無いけど。生後数日だったらしい。


無表情で話す彼女に、私は頷く事しかできなかった。でも、何となく、この子達が、なぜこんな事をしているのか少しわかった気がしていた。



あなたは自分みたいな子供を、これ以上増やしたくないって思って、こんな事したんだ。あなたの為に友達も協力したのね?



別に協力したとかじゃないし。


坊主頭の男が言う。



俺も親いないし。っていうか知らないし。


えっあなたもなんだ。

私がそう言うと、ふてくされたように、また座りなおす。



そしてメガネ男が立ち上がり、私にむかって口を開く。