「行ってくるね」
「いってらっしゃい。
あっ秋桜!
お弁当。」



そう言って
私は家を出た。





長い長い
夏休みが終わって
少し肌寒くなった
季節。




「秋。もう秋かぁ」



中学2年の秋
私は好きな人が
いた。



その人は
朝の電車を
乗る時にいつもいる
同じ学校で
他のクラスの

秋田蓮君



蓮君は大人っぽくて



周りの男子とは
比べものに
ならないぐらいの
モテ男君だ。






そんな
モテ男君に
どうしてこんな
地味でとりえもない
私が
好きになったかと
いうと





絶対に忘れられない。




入学式の時の
ことでした。