人間、こういう時って誰かに話を聞いてもらいたいんだと思う。
自分が言う気がなくても、勝手に口が喋ってしまう。
特に織田くんみたいに、真面目で人の相談をよく聞いてるっぽい人にはそうしてしまう。
私は簡単に『彼氏とちょっとしたことで別れてしまい泣いてた』
とだけ言った。
私の言葉に織田くんは、『そっか』みたいな表情をして
「あぁ、彼氏って宮内くんだよね?」
「…うん」
「原因は何か分からないけど、あまり自分を思い詰めない方がいいと思うよ」
さっきまで、私と同じ目線にする為にしゃがんでいた織田くんは、ズボンポケットに手を入れて立ち上がった。
いつもの織田くんらしくないと違和感に思った。

