溺愛彼氏-いぢわる生徒会長-

「それは問題ない」
「好きじゃない人と付き合えるの?」
「誰も好きじゃないなんて言ってないけど?」
 好きじゃないなんて言ってない・・・?
 待って、それじゃ、まるで好きじゃん。
 そんなはずないよね、今日あったばかりだし。
「俺は瀬野が好き」
 ――瀬野が好き。
 私達の時間が止まった。
「何言ってるの・・・?」
 それ以上言えない。
 思考回路が停止して、もう考えられない。
「そのまんまの意味だけど?」
 そのまんま、じゃぁ本当に好きなの?
 だってあったばっかりだよ。
 本気にしていいのか分からない。
 あたふたしていると、長谷川が
「本気だから」
 と付け足した。
 い、いらない付け足しをどうも。
 おかげさまで私の頭の中はグチャグチャです・・・。
「何で?どこが?分かんない・・・」
 心の奥底からの疑問。
 ちゃんと答えてくれるのだろうか?
 それすらも分からない。
 だけど私は聞かずにはいられなかった。
「屋上で見たときの態度?あと授業中の仕草、んで若干俺にビビッてるところ」
 あんたにビビるのはしかたない。
 絶対何かたくらんでいそうだから。
 授業中の仕草って何を見てたの?
 私何かしたっけ・・・自分でも分かんないや。
「今は好きじゃなくてもいいから。付き合ってるなかで好きになって?」
「え、あぁ、うん」
 それ以上はいえなかった。本当は否定するつもりだった。
 でも、すごく悲しそうな瞳をしてたから。