溺愛彼氏-いぢわる生徒会長-

　すると長谷川はクスッと笑って見せた。
「じゃぁいいんだよね？」
　いいって何が･･･？
　また余裕な笑みを浮かべる長谷川。
「生徒会入ってくれるでしょ？」
　はぁー、それ･･･。もういいよ、入るから。
「もーいいよ、入るから･･･」
「本当？ありがと、今日から副会長ね」
「ちょ、何で副会長なの！？」
　入るとは言ったけど、副会長って何･･･。
　ありえない、ありえない。
「あー、それといいこと教えてあげる」
　いいこと･･･長谷川が言うのだからよくないことぐらい分かる。
　でも、聞くしかないんだろうな･･･。
　長谷川はとんでもないことを言い出した。
「副会長と会長って、付き合ってないといけないんだよね。だから彼女ね？」
「は？」
　思わず耳を疑う。
　だって、だって、コイツと付き合う？
　コイツの彼女？
　ふざけてる、絶対におかしい。
　それ以前に何で長谷川には彼女がいないの？
　いや、もしかしたらいるのかも･･･。
「でもさ、彼女いるんでしょ？」
　お願い、いるって答えて！
　ていうかいるはずだよ、容姿端麗なんだから！！
「いない」
「嘘だ」
「嘘じゃない」
　いない？そんな答えは待ってない。
　第一好きでもない人と付き合うことなんてできないでしょ？
　それはきっと長谷川も同じだ。
「好きでもない人と付き合うってのもねぇ･･･？」
　少し控えめに言う。
　“好きでもない”その言葉が少しひっかかる。
　確かにＳだけど嫌いではないから、傷つけているような気がして。