溺愛彼氏-いぢわる生徒会長-

「そんな理解力でここにきたわけ?」
 話は大方理解してますよ・・・。
 でも一般常識じゃ考えられない。
 少し混乱していると
「今の役員は正直使えるのほとんどいないから。瀬野サン俺に恩あるからやるでしょ?」
 恩がある、ないの問題じゃない!
「やだやだ、やりたくないー!!」
 冗談じゃないよ、絶対いやだ。
 だって、コイツが会長だったらこき使われるに決まってる。
「あ、瀬野サンには拒否権なんてないから」
「はぁ?いやいや、そんなの知らないよ」
 反射的に言ってしまった。
 忘れていた、コイツはS、ドSだ・・・。
「残念だけど、先生にだしちゃったんだ。新規役員の用紙」
 そういって長谷川はニヤリと口角を上げて笑う。
「い・・・いやだぁ・・・」
 いやだ、いやだ。なんでこんなことに巻き込まれるの?
 そう思うと涙がとどめなくあふれてきた。
「・・・・」
 さすがの長谷川も黙り込んでしまった。
 突然クイっと顎をあげられた、長谷川に。
 イマイチ状況が理解できない。
 次の瞬間唇に熱を感じた。
 長谷川に抗おうとしたものの私の両手は押さえられていて抵抗できない。
 キスは段々と深くなってゆく。
 長谷川の熱い舌を口の中に感じる。
 抵抗することは無駄と分かると体中から力が抜け、されるがまま。
「ねぇ、泣かないでよ?」
 と長谷川の声が頭上から聞こえる。
 長谷川は“泣かれたら止まらないけど”と付け足した。
「あ~、悪かったって。だからもう泣かないで?」
 気のせいか優しいような、柔らかい口調の気がする。
 スッと長谷川の腕が伸びてきて、私の頬に触れる。
 そして頬に触れた指は、優しく涙を拭う。
 長谷川はまるで愛しいものを見つめるような瞳でこちらをみている。
 不覚にもドキッとしてしまう。
 今までのことさえ忘れてしまうような、そんな表情だった。
「・・・もういいよ」
 この一言を言うので精一杯だった。