学校初日はあっという間に終わった。
 すごく疲れたなー。
 休み時間はいろんな子が席の回りに来て身動きがとれなかったから。
 でも相手にされないよりは断然良いよね。
「はぁー」
 思わずため息がでる。
 だって、だってね?今から残りだよ?
 っていうか残りって何するんだろう?
 何で転校初日に残らなきゃいけないんだろう?
 考えれば考えるほど疑問が生まれてくる。
 きりが無い・・・。
 もう考えるのはやめよう。
 そう思いながらも考えてしまう。
 そんなこんなで終礼は終わってしまった。
「ゆーづーき!バイバーイ!!」
「リオ、バイバイ!!」
 と笑顔で手を振ってリオと別れた。
 そうだ!今のうちに帰っちゃおう。
 人が多いからきっとばれないよ。
 いや、でも隣だよ・・・?でもでもここはトライだ!
 荷物をまとめて教室の扉へと足を進めた。
 やったー、教室から出られる。
 これで帰れる、そう思った瞬間右手に痛みが走った。
 恐る恐る右手のほうをみると、妖艶な笑みを浮かべる長谷川がいた。
「何してんの?まさかサボって帰る気?」
 ゔ・・・。バレてたのー!?
「もう、残るから手離してよー!」
 正直掴まれている手が痛い。
 本当に離してほしい、手に血が通わず色が変色してる!?
 どんだけ強く掴んでるの?
「あ、ごめん」
 え・・・?このSが謝った!!
 皆さん聞きました!?
 長谷川が、どSが謝りましたよ!!
 あ、でも謝るのは当然だよね。
 ていうか私の手どうしてくれるの?
 長谷川の手の跡がしっかりついている。
 これ痣になりそー、いやもう痣かも。