やった、ついたー!!
 長かった・・・、本当に広いねこの学校。
「遅れてすみません、迷いました」
 素直に遅れた理由を言ってみた。
 周りからしたら、何で迷ったの?だろうけど、私にしたら広すぎる学校が悪い。
「席に着きなさい、長谷川君ありがとね」
 長谷川とは私をここまで連れてきてくれた人の名前・・・らしい。 
 このありがとうは私を探してきてのありがとうかな?
 とりあえず席に着く。
 席に着くと、長谷川とは逆サイドに座っていた女の子に話しかけられた。
「ねぇねぇ、遊月って呼んでもいい?」
「うん、いいよ」
 笑顔で返事をすると
「私は、室町リオ。リオって呼んでね!!」
 と、明るい声で返された。
 正直友達が出来るか不安だったけど、大丈夫そう・・・。
 リオは可愛いというより、綺麗に分類されるのかな。
 美しいはリオのためにあるんじゃないかな。
 そう思うくらいリオは綺麗。
「遅れてきたのに、しゃべってていいの?」
 そういってきたのは、長谷川。(らしい)
「よくはないと思うけど・・・」
 やっぱりSだよね、今本当に確信したよ。
「あーそうそう。瀬野サン、今日残ってよね?」
 はい?何で私が残らなきゃいけないんでしょうか?
 なんで転校初日に残らなきゃいけないの?
「何?文句あるわけ?」
 言い方は笑ってるようだけど、目が笑ってませんよ?
「はいー、残りますよ、残ればいいんでしょ!」
 少しキレ気味で言い放った。
 すると長谷川は笑いながら付け足した。
「つーか瀬野サンには拒否権ないから」
 拒否権はない?つまり強制なんですよね。
 じゃぁ、聞かないで残れって言えばいいじゃん。
 本当分からないなー、この人。