「誤解って何?」
 本当に分からないのか、眉を寄せて首を傾げる。
「付き合ってるって思われたくないの!!」
 思いっきり声を荒らげた。
「・・・?付き合ってるし誤解じゃない」
 そーだよ、そーだけど何かが違う。
 付き合ってることを知られたくない。
「・・・遊月?」
 あ・・・。名前で呼んでるんだ。
 もしみんなの前で唯斗が私の名前を呼んだら・・・?
 絶対おかしいって思うよ!
 どうしよー・・・、これは唯斗にお願いするしかないな・・・。
「あ、あのね・・・唯斗にお願いがあるんだけど?」
「何?」
「みんなの前では名前で呼ばないで。みんなに付き合ってること知られたくないから」
 唯斗は少し考えてから「わかった」とだけ返して屋上をあとにした。