【遊月】
 んー、学校に行きたくない。
 別に行ってもいいんだけど・・・、でも行きたくないんだ。
 原因は隣のアイツ、唯斗。
 転校初日の昨日、告白されて流されたまま付き合うことになった。
 正直好きではないけど、OKしてしまっいたから。
 だけどすごく気まずいから行きたくない。
 でも、行かなきゃいけないんだよな・・・。
 私は重たい足で学校へ急いだ。
 

 学校に着いた。予想よりも早く。
 これで、教室に唯斗がいたら・・・。
 私はその空気には耐えられないだろうな。
 よし!ギリギリまで屋上で時間を潰そう。
 そして私は屋上へと階段を駆け上がった。
 朝の風がとても心地よい、だけど私の気持ちは上がらなかった。
 そっと腰を下ろした。
「はぁ・・・」
 思わずため息が漏れる。
 教室に行って唯斗がいたら、そう考えると私は沈んでしまう。
「どうかしたの?」
 誰もいないはずの屋上で声がした。
「へ?」
 恐る恐る振り返るとそこには、今一番会いたくない人、唯斗が立っていた。
「・・・どうもしてない」
 表情を変えず答える。
 動揺を表に出さないように、冷静をよそおった。
「そう」
 唯斗はそれだけ答えると黙り込んだ。
「・・・・」
 2人の間には重たい沈黙が流れた。
 この空気の中にいたくない、そう思い口を開いた。
「も、もう教室にいくね!」
 そういって屋上から出て行こうと立ち上がると、唯斗が言葉を発した。
「行くなら一緒に行く」
 え、遠慮したいんですけど・・・。
 2人で歩いてるところを見られたくない。
 唯斗はカッコイイから女子からの恨みを買いそう・・・。
 そんなの嫌だ!だから絶対一緒に歩きたくないの。
「いいから、1人で行くの!」
「なんで?」
 はい?なんでじゃないでしょ。
「誤解されたくないの、だから1人で行かせてよ」