【遊月】

 親の都合により転校してきて、学校初日。
 普通は期待するのに・・・。
 この学校は広すぎる、職員室なんてあるの?
 探し回ったけど見つからない現実・・・。
 だから私は今、諦めて屋上でサボり。
 いや、サボりにはならないよね?
 だって、学校が広すぎて職員室見当たらないんだもん。
 仕方ないよね・・・、そう!しかたないの!
  でもいつまでここにいればいいんだろう。
 さすがに、探さなきゃいけないよね。
 そう思ったとき、屋上の戸が開いた。
 今は授業中のはずだから、生徒ではないはず。
 生徒じゃないはずなんだけど、そこにいたのは男子生徒。
 男子生徒は私にこう言った。
「授業始まってるけど・・・?」
 始まってるのはしってます・・・!!
 その前にあなたはなんでるんですか・・・!!
「何、サボリなわけ・・・?」
「え、違いますけど」
 それ以外に言うことがない。
 サボってはないけど、授業は受けていないわけで。
 何て言えばいいんだろう?
 そんな私に
「嘘。場所分からないんでしょ?」
「はい、そうです」
 何だ、分かってたんだ。
 っていうか分かりながら聞いたわけ?サボリって・・・。
 ちょっとイラッとしちゃうんだけど。
「じゃぁ、来てくれる?瀬野サン」
 え?名前なんで知ってるの!?
「あの、何で名前知ってるんですか・・・?」
 思わず聞いてしまう。でも気になるんだ。
「あぁ、瀬野サンと同じクラスだから。つか隣」
 同じクラス・・・、って隣!?
 この人が隣なんだぁ・・・、いいような、悪いような・・・。