「ただいまー」
「お帰り、翔太」

迎えてくれたのは俺の母親代わりのおばあちゃん。
優しくて俺が小さいころから大事に育ててくれた。

「おー翔太。今日も真っ黒だな」二階から顔を出してきたのは5個年上の兄貴の翼(つばさ)。

「うっせぇーな。俺は元から黒いんだよ」
「そりゃ、すまんすまん」
それだけ言って二階に上がっていった。

「なんだよ、あいつ」
そう言ってリビングに向かった。

「翼は翼で翔太を大事に思ってんだよ」
そう言いながらおばあちゃんも俺に続いた。