「ありえないことが起こってるんだ!!だから一番実花さんを知っているお前に聞いてるんだろうが!しっかりしろ」

「俺が知らないことなんてない。そんな奴らと実花が関係あるなんてありえない」俺は必死に横に首を振った。

「そんな奴らはどんな奴らかはまだ分からん。それに人を殺す奴が最初から悪い奴とは限らない。ただ実花さんが危ない領域に足を踏み入れていたのは確かだ」

「なあ、山岡さん」俺はあの日のことを頭の中で振り返っていた。あの日の実花は確か………

「あの日の実花、変だった」
「えっ…どういうことだ翔太っ!!」山岡さんは必死に俺の体を揺すってくる。

「実花の携帯にメール届いたんだ。あいつそのメールを見たとき一瞬だけど顔をしかめた」
「誰からのメールだ?!」俺はゆっくり目を閉じながら首を真横に振った。

「そうか……実花さんの衣服の中には携帯は入ってなかった」
「え……」

「多分、犯人が全部持っていったんだろう。だから翔太が言うように携帯のメールを見たとき実花さんは顔をしかめた。携帯の中に何かがあったんだろうな」
「クソ!!」

俺は犯人への怒りをぶつけるように壁を思いきり足で蹴った。

その後も山岡さんと実花の話をしたけど手がかりらしいものはなくて俺たちは学校を出た。