あたしのハートはキミのもの


 浩ちゃんの行動に戸惑いながら、放してとジタバタする腕を掴んだまま、浩ちゃんはドンドン前へと歩いてく。


 「浩ちゃん!放してって」


 「ヤダね。なんで放さなきゃいけないんだよ」

 「なんでって、みんな見てるよ」


 「いいじゃん。別に」


 「はぁ?いいって・・・」


 「言っただろう?覚悟しとけって」


 確かに言われたけど。それが何よ?


 「俺、お前に対して遠慮するのやめたから。付き合うのは待つけど、それ以外のことはトコトンやるから」


 ニッと意味深な笑みをこぼした浩ちゃん。それはどういう意味なんだろう?

 あたしに対して遠慮しないってなに?


 トコトンやるってどういうこと?



 「ほら、早く行くぞ」


 今度はあたしの手のひらを握り締めた浩ちゃん。「放してよ!!」と戸惑うあたしをよそに浩ちゃんは、満足そうな笑みを浮かべ、そのまま女の子達の注目を浴びながらあたしを校門の向こう側へと連れて行った。