あたしのハートはキミのもの


 程なくして、見えてきた学校の校門。


 時々、女の子達の視線を感じた。


 みんな浩ちゃんとあたしを見ながら、どうして浩ちゃんがあたしと一緒に学校に来ているのか、納得のいかない様子・・・。



 無理もない。浩ちゃんは学校では女の子達の憧れの存在だったりするんだよね。

 
 そんな浩ちゃんが、あたしみたいな普通の子と一緒に学校に来てるんだ。

 みんな、イヤだよね?きっと・・・。


 「浩ちゃん」

 「なに?」

 「あのさ、学校一緒に行くのやめよう。先行くね」


 そう言って、浩ちゃんから離れようとすると「待てよ」とあたしの腕を掴んだ。


 どこかで誰かが「ヤダ・・・腕掴んでるし」と嫌そうに言った言葉が聞こえてきた。


 「浩ちゃん、みんな見てるよ」放してと腕を振り払おうとすると「ヤダね」と一言いった。