俯いて手の平を握り締めた。
じんわりと、汗が手のひらに滲んでいく。
「奈津」
名前を呼ばれてビクンと体が強張った。
「奈津、俺を見て」
そう言われてゆっくりと顔を上げた。
目の前には、フッと柔らかな笑みをこぼしている浩ちゃん。
その笑顔に、トクンと胸が高鳴る。
「ありがとう。奈津。俺のこと、好きだなって思ってくれて」
「へっ・・・?」
「俺さぁ、ずっと、お前のこと好きだったから・・・気持ち伝えたら、なんか止まんなくなって、抑え切れなくてさ」
「こうちゃん・・・」
「だから、一方的に自分の気持ちぶつけたんだ。悪かったな」
「ううん。あたし・・・嬉しかったよ」
うん。嬉しかった。本当だよ浩ちゃん。


