あたしのハートはキミのもの


 ようやく解放された唇。手のひらで抑えて浩ちゃんを見つめた。

 「どうして?どうして、またキスするの?」


 頭の中で何も考えられないほどの戸惑い。
 それは突然キスしてきた浩ちゃんへの戸惑いでもあり
 
 そのキスを、嫌だと思わなかった自分への戸惑いでもあった・・・。


 「奈津・・・」


 静かに名前を呼ばれて返事をする。

 心臓はとめどなく鼓動を刻み、息をするのがやっとだ。

 「奈津」

 「な、なに・・・?」


 「俺と、付き合って」




 「へ・・・・?」

 再び言われたその言葉に、心が動いた。