「ちょっ…な…!?」
真っ暗な部屋に轟く雷音にあたしは、ソファの上で自分の体を体育座りをして自分の体を抱きしめた。
「大丈夫か?奈津」
浩ちゃんの大きな手が、あたしの体にソッと触れた。
その手に縋るように握りしめると「コワイよ…」と浩ちゃんに抱きついた。
「大丈夫だって、俺がいるから」
「…うん…」
ギュッと抱きしめる浩ちゃんの胸に、無意識に顔を押し当て温もりを求めた。
「大丈夫。大丈夫」
怖がるあたしの背中を優しく撫でるその手の温もりに、忘れていた幼い頃の記憶が蘇る。
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「なつ。だいじょうぶだよ。ぼくがついてる」
少し震えている男の子の声と、強がってニッと笑う顔が脳裏に浮かんだ。
「こうちゃん…」
思い出した。あの時もあたし、こうやって浩ちゃんから守ってもらったんだ。


