「おい、奈津…奈津!!」 突然誰かに名前を呼ばれたかと思うと、いきなり腕を掴まれてグチャグチャな顔のまま振り返った。 だ…誰よ!?こんな時に…今は誰とも会いたくないんだから無視してよね!! なんて自分勝手な言い分を押し付けるような勢いでその人を見た瞬間 涙でぼやけた視界の中で見覚えあるその声の主に 「うわっ…最悪…」 自然と言葉が口から出ていた。