「美味いか?」
少し不安な顔をして、そう聞く浩ちゃんに「うん」と頷くと、嬉しそうな顔をした。
その顔に、ちょっと不覚にも胸がトキメイテしまった。
「どうした?」
顔をのぞき込まれて、思わず体を後ろに反らした。
「なに?」
どうした?と、さっきよりも顔を近づけてくる浩ちゃん。
「べ、別に」
なんでもないと呟いて、チャーハンを食べることに専念した。
「ヘンな奴」
浩ちゃんはそう言うと、自分のチャーハンを一口パクリと頬張った。
瞬間「ニガッ」と言葉を漏らした。
チラリと浩ちゃんを見ると、浩ちゃんもチラリとあたしを見た。
その後、何事もなかったように黙々とチャーハンを食べ始めた浩ちゃん。
その姿がおかしくて、思わず笑みがこぼれた。