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「ほら、できたよ」
数分後テーブルに置かれたのは、ちょっとだけ焦げたチャーハン。
見た目はお世辞でも美味しそうとは言えないチャーハンには、卵の他にハムやレタスが入っていた。
浩ちゃんが作ったチャーハン…。
暫くスプーンを持ったままチャーハンをジッと眺めていたら、冷めないうちにサッサと食えと言われた。
「別に毒が入ってるわけじゃないんだ。サッサと食いやがれ」
「分かってるよ。けど、なんか浩ちゃんが作ってくれるなんて、なんか意外だなって思って…」
「俺だって、女に作ったのは初めてだっての」
「えっ?」
「いいから、早く食え!!」
顔を赤くして怒ったような口調の浩ちゃん。
「い、いただきます」
慌てて口に頬張ると、ちょっとだけ苦い優しい味がした。