人を好きになることって、どういうことだろう?
あたしは、彰くんが大好きだった。
会えるだけで嬉しかったし。付き合うって言われた時、あたし…嬉しすぎて泣いたんだよ。
それからの日々は、毎日がキラキラして輝いて見えた。
彰くんにもっと好きになってもらいたくて、もっと可愛くなろうってメイクやファッションを勉強したりもした。
彰くんと初めてキスした日、心臓が壊れそうなぐらいドキドキした。
「浩ちゃん…。あたしね…まだ…彰くんのこと…」
「知ってるよ。好きなんだろう?」
その言葉に顔を上げて浩ちゃんを見ると
「知ってるよ。奈津のこと、ずっと見てきたから。知ってる」
口元をニッと上げて微笑んだ。


