浩ちゃんは「そっかぁ」と優しく言うと、あたしに毛布をかけて、腹が減ったなとポツリと呟いた。
確かに…。まだ晩御飯食べてないんだったっけ…。
「何か食べれそうか?」
そう聞かれて頷くと、ちょっと待ってろと立ち上がり
「キッチン借りるな」
そう言って、キッチンで何かを作り始めた。
何を作るんだろう?
浩ちゃんが料理するなんて…。なんか変な感じ…。
それに、浩ちゃんって…こんなに優しかったんだ…。
キッチンで長袖のシャツの袖を腕まくりして、時々「ウワッ」と声を上げながら料理をしている浩ちゃんの後ろ姿をポケッと眺めていたら
なんだか胸の奥が優しさに包まれていく感じがした。


