「きょう…厄日なのかな…あたし…」
「まぁ、こんな日もあるさ…」
「……」
「それに、何も取られてなかったわけだし」
「うん…」
泥棒は、部屋を散らかしまくったけど結局は何も盗んでなかった。
うちのお母さん、大切な物はお母さんしか知らない、誰にも見つけられない秘密の場所に隠すのが好きだから
きっと、何も見つけられなかったんだろう。
それに、あたしも大したものは持ってなかったから、何も盗む物がなかったみたい。
けど、泥棒に入られたこともだけど、バッタリ鉢合わせになってしまった事はヤッパリショックで。
このままじゃ、浩ちゃんが心配すると分かっていても
泥棒の顔が頭に浮かんで、恐くて体が震えて…淹れてくれたホットミルクティを飲むこともできずに、ただ俯いたまま言葉が何も出てこなかった。


