あたしのハートはキミのもの


テクテクと浩ちゃんの後ろを付いて歩く。手はなぜかまだ繋がったまま。



あたしも浩ちゃんの手を放すことなく歩いた。



どうしてだろう?



いつも意地悪な浩ちゃん。言ってることは時々冷たかったりするけど。今日は不思議なくらい優しい。



「ねぇー…浩ちゃん」



「うーん。なに?」



あたしの手を握ったまま真正面を向いて歩く浩ちゃんの背中に呼びかけた。




「なんでー…きょうはこんなに優しいの?」



「……そうかぁ?」


気のない返事が返ってきて思わず「そうだよ!」と大きめな声で言った。