あたしのハートはキミのもの



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「「サムッ!」」


春だとは思えなかった寒空の下に出た瞬間2人同時に叫んだ。


「寒すぎじゃねぇー?」足をその場にバタバタさせながら鍵を締める浩ちゃん。


「ほら、早く行くぞ」


サッサと行くぞとダウンのポッケに両手を突っ込んであたしの数歩前をツカツカ歩く。


その後ろを両手で腕をさすりながら歩くと、浩ちゃんが振り返りツカツカと近づいて来た。



「遅い。早く歩け」


「浩ちゃんが歩くの速すぎなんだよ」


足の長さが違うんだからと文句を言うと、徐にポッケから右手を出した浩ちゃん。


「早く歩け。風邪ひくだろう」


そう言って、あたしの左手のひらを握ると引っ張るように歩き出した。