「お前さぁ…」
飲みかけのブラックコーヒーをテーブルに置いて隣に座る浩ちゃん。
その距離の近さに公園でのキスを思い出して思わず身構えた。
そんなあたしを知ってか知らずか…浩ちゃんは顔色1つ変えずにあたしの顔を見ると
「アイツのどこが好きだったわけ?」
興味あるんだけどと聞いてきた。
“アイツ”って…ヤッパリ…
「彰くんのこと?」
「他にも付き合ってる奴いるの?」
「いないよ!!いるわけないじゃん。そんな二股かけれる程、あたしは器用じゃないもん」
思わず真顔で答えたあたしを「だなぁ」とクスッと鼻で笑う浩ちゃんに「笑わないでよ」と文句を言って飲みかけの冷めたミルクティを一気に飲み干した。


