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ホラッと湯気が立つホットミルクティが入ったマグカップを手渡した浩ちゃん。
「あ、りがとう…」
ぎこちなく、それを受け取り口に含むと甘くあったかいミルクティが冷えた体に染み渡る。
「おいしい…」
「だろう?お前、昔からミルクティ好きだからな」
しかも甘いのなと苦笑いする浩ちゃん。
「覚えてたんだ」
まぁな…と呟きながら、お決まりのブラックコーヒーを飲んでる浩ちゃん。
浩ちゃんは昔から甘いのが苦手なんだ。
だけどミルクティだけは、これぐらいか?と何度も味見して作ってくれていた。
小さい頃、あたしが泣いてた時も、作って慰めてくれたこともあったっけ…。
忘れてた遠い記憶とミルクティの甘さに、心がほっこりあったかくなっていった。


