二階にあるシンプルで6畳程の浩ちゃんの部屋は綺麗好きの浩ちゃんらしく、小綺麗に片付いていて、壁には浩ちゃんが好きなサッカー選手のポスター。
「なに正座してんの?お前。もしかして緊張してるとか?」
意地悪な顔で聞く浩ちゃんに「違う!!」と全力否定。
「冗談だって。ミルクティでいい?」
「へ?あ…うん」
ちょっと待っててと言うと部屋を出ていく浩ちゃん。
そのいつの間にか広くて逞しさを感じさせるようになっていた背中を複雑な気持ちで見つめた。
お互い一人っ子で、両親が仲が良かったから互いの家を行き来しては、普通に一緒にご飯を食べたりしてた。
小さい頃から、からかれてたけど、それでも一番遊んでくれたのは浩ちゃんだったんだ。
けど、浩ちゃんが中学生になって急に背が伸びてなんだか知らない男の子みたいに感じて…
会えば決まって浩ちゃんはあたしの事をからかってばかりだし…。
あたしもからかわれるのがイヤで浩ちゃんを避けるようになって
あたし達は次第に遊ばなくなっていった。