「お前さぁ…俺を誤魔化せると思ってんの?」 確かに…なぜかいつも浩輔はあたしの嘘を見破る。 何度違うと言っても「嘘つけ」とニッと笑ってデコピンされる。 またデコピンされる。 そう思って身構えていたら、ふんわりと抱きしめられた。 「俺が慰めてやろうか?」 耳元で囁かれて浩輔の顔を見上げると暗闇に妖しげに光る熱を帯びた瞳があたしを捕らえていた。