トクン…トクン…と聴こえる浩ちゃんの心音。 抱きしめられている腕のぬくもりが心地よくて、このまま抱きしめられたいと思ってしまった。 ダメダメ。コイツは単にあたしをからかってるだけ。 このままじゃ浩ちゃんに負けてしまう。 ほんの僅かに残っていた強い心を奮い立たせて 「放してよ」 浩ちゃんの胸を突き飛ばして離れた。