な…なんで…?
もう思考回路は崩壊寸前。ほんの少し残っていた意識を集中させて浩ちゃんを見つめて聞いた。
「なんで?こんなことするの…?」
「なんでって…言っただろう?キスしたかったから」
「キスしたかったからって…あんた!!なんでそんなこと!!?」
「お前、彼氏に裏切られたんじゃねぇの?」
「えっ!?なんで知ってるの!?」
そう言って慌てて両手で口を抑えた。
「き…聞こえた?」
「あぁ、バッチリ」
そうニヤリと笑う。
「もしかして…見てた?」
「まぁね」
そうだった…。浩ちゃんには、以前、彰くんと手を繋いで歩いてたの見られてたんだった。
だから、あたしが彰くんと付き合ってたの知ってるんだ。


