あたしのハートはキミのもの

それから、由紀のことが気になって仕方がないと、石崎くんは言葉を紡いだ。


相変わらず、顔を真っ赤に染めながら。




なんか可愛い。


「それで、由紀のこと好きになったんだ」


真っ赤な顔のまま、コクリと頷いた。


なんだ。両想いじゃん。小さく呟いた。一瞬、聞こえたかな?と心配したが、どうしたらいい?と頭を掻く姿を見て気づいてないと胸を撫で下ろした。


「で、あたしにどうしてほしいの?」


そう聞くと顔を上げて言った言葉は「アイツ…好きな男いるのかな?」だった。


「はぁ?呆れた。そんなの自分で聞けばいいじゃない」

「無理だよ。振られたらどうすんだよ?」


「はい?あたしには言ったくせに」


「あぁ、なんでかな?不思議だよな?」と苦笑いする石崎くんに意味わかんないと少しだけむくれてみせた。


それって、思ってたよりあたしのこと好きじゃなかったってことしょう?


悪いなって気にしてたのに。なんだぁ、そんな気にすることなかったじゃん。