あたしのハートはキミのもの

「それで?その後どうなったの?」


「その後、公園まで逃げたらヤンキーたち追いかけてこなくて安心して、疲れたなってベンチに座ったら」


「座ったら?なに?」


「アイツ、いきなり俺に鞄投げつけてさ」


「えっ⁈由紀が⁈」


普段の冷静な由紀には考えられない行動。相当怒ってたか、それとも…。


「俺さ、なにすんだよって、アイツ睨んだら、泣いててさ」


やっぱり、それだけ心配だったんだね。大好きだから、石崎くんのことが。

「それで?どうなったの?」


「俺、何も言えなくて。黙ってたら、今度は一方的にバカとか信じらんないとか言って、逃げていったんだよ」


なんだか、由紀らしいと思った。


好きだからよって、言えばいいのに。肝心なところで言えないんだ。恥ずかしがり屋さんだから。