あたしのハートはキミのもの

とにかく、早く教えてよと急かすと顔を少し赤くしながらおしえてくれた。


「あの後さ、俺、なんかムシャクシャしてゲーセンに遊びに行ったら2人組のヤンキーに絡まれてさ。

いつもなら無視して相手しないで適当にやり過ごすんだけど、なんか、どうでもよくなって喧嘩になったんだ」


平和主義の石崎くん。彼が喧嘩するような人じゃないことは、彼を知ってる人なら誰でも容易に分かる。


その彼が喧嘩したなんて…。あたしのせい…？だよね…。


思わず「ごめん」と言おうとしたら、「言っとくけど、お前のせいじゃないよ」と言われて言葉を飲み込んで代わりに「分かってるよ」と笑った。


石崎くんも二カッと笑った。


「で、その時、殴り合いになりそうになった時、急に由紀が現れて、喧嘩しちゃダメって、突然俺の腕掴むとヤンキー達にすみませんでしたって頭下げて、そのまま俺引っ張って走って逃げたんだ」


ビックリするだろう？と少し興奮気味の表情。


確かに、由紀はヤンキーが嫌いだから、いたら絶対に関わらない。

その由紀が、そんな行動とるなんて。


恋のチカラだねと、心の中で呟いた。