泣きたくないのに溢れてくる涙を止められなくて、ぼやけた視界の中の彰くんを見ていた。
「ごめんな…奈津。俺…」
「聞きたくない!!」
言い訳とか、そんなの…何も聞きたくない。
横目でチラリとお姉さんを見た。
スタイル抜群で綺麗な栗色の髪。パッチリ二重にプックリした妖艶な唇。
そして…あたしより明らかに大きい胸に、くびれた細いウエスト。足だってスラリと長い。
全部負けてるよ、あたし…。
勝てるのなんて、何一つないじゃない…。
もう、ぐうの音も出ない程打ちのめされた気分になった。
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