朝食は、あたしが作ることにした。

手伝うよと浩ちゃんは言ってくれたけど、自分1人で作りたかったし

何より、浩ちゃんが見ていたら、今のあたしは恥ずかし過ぎてきっと何も作れない気がするから。



といっても、簡単なものしか作れないけど…。


まさか、好きな人の部屋で一晩過ごして、その人の為に朝食を作ることが、こんなに早く自分に訪れるなんて


想像もしていなかった。



こんなことになるなら、もっとちゃんとお母さんの手伝いして料理できるように頑張っておくんだった。


浩ちゃん家のキッチンに立つのに戸惑いながら「はぁ」と後悔のため息を吐いて


「よし、やるか」


気合いを入れて「失礼します」と冷蔵庫を開けた。