翌日の朝。
まだ寝ている浩ちゃんを起こさないように、こっそりベッドから抜け出した。
床には、脱ぎ捨てられた服が散らばっている。
その光景に恥ずかしさを感じながら拾い上げ身に付けると
「…な…つ…?」
背後からまだ眠たそうな声であたしの名前を呼ぶ浩ちゃんの声が聞こえてきた。
「あ…起こしちゃった…?」
浩ちゃんに背を向けたままのあたし。
「奈津…」
「な、なに…?」
「なんでこっちを見ないの?」
ドキン!!と心臓が跳ね上がった。
なんでって…決まってるでしょう?
「は…恥ずかしいからに決まってるじゃん」
真っ赤な顔で呟くあたしを、気づけばいつの間にか、すぐ後ろにいた浩ちゃんがギュッと後ろから抱きしめていた。
幸せ…。
キュンと苦しく鳴り響く鼓動を感じながら、浩ちゃんの鍛えられた腕に手を添えた。