彰くんの真正面に立って、拳を握りしめたまま彰くんの顔を見上げた。


「奈津」


彰くんがあたしの名前を呼んだ瞬間。
今までの楽しかった思い出が走馬灯のように駆け巡ってきて


ぶん殴りたいのに…こんな奴…ぶん殴ってやりたいのに…。

バッシュ投げつけただけで気が済まないのに…



「なんで…?なんでよ…?」



気づいたら、拳を握りしめたまま…唇噛み締めて泣いていた。